鬼上司？と嘘恋から始めるスイートラブ

「とにかく、私は嘘を貫き通す気はありませんから」


「いいのか？それなら冴子と徹さんは再婚するぞ。お前は徹さんの再婚を反対して俺と結婚すればいいと思って、あんなことを言ったんだろ？だからそうすればいい」


「じゃあ課長、私と本気で結婚するつもりなんですか？」



「ああ。冴子がそれを望んでいるし、徹さんも喜んでいたからな」



もう話にならない。あり得ない。机をバンと叩き、椅子から立ち上がった。なんで、私が課長と結婚しなくちゃいけないのよ。


一瞬、店の中の視線が全部私に向いたのに、気がついたけれど、そんなこと構っていられない。




「いい加減にしてください。確かに私が嘘をつきました。でも、それはあくまでも父から『相手にも一人息子がいる』と聞かされただけだからです。時田課長がその息子だと知ってたらこんなこと考えたりなんてしませんでした！！」