鬼上司？と嘘恋から始めるスイートラブ

「初めまして、小宮静佳です」



冴子さんが静佳さんと連絡を取ってあたしと会う時間を作ってくれると連絡をくれたのはそれから3日後のこと。



そしてその週末、あたしは静佳さんと初対面を果たした。




課長が豊田さんの家に行った後、冴子さんが静佳さんをうちの家に連れてきてくれた。でも私は外すわと冴子さんは家に帰ってしまった。



気まずい雰囲気。それも当然。あたしと静佳さんに面識もなければ関係もない。今、思えばよく静佳さんは受けてくれたなと思う。


あたしどうしてこんな風に物事を考えずに突っ走ってしまうんだろう。



思えば課長との始まりもかなりあたしが突っ走ったんだ。本当、あれがきっかけで今では課長が大好きになったけれど暴走してたな。



「どうぞ。すみません。お呼びだてしまして」



紅茶を淹れながらグルグルとそんなことばかり考えていたけれど静佳さんをほったらかしにするわけにいかない。意を決して紅茶をトレーに載せて彼女の元に向かった。



腰より少し短いくらいの黒髪。奥二重。綺麗な印象が強かった。この人が課長の元カノで元婚約者だったんだ。