「だから運転は任せてください」と大見得を切って課長を私の愛車に促した。期待してるよとクスクス笑みを浮かべて助手席に座る課長。
目指すはケーキバイキング。お父さん以外の人を乗せるのは、久しぶりなのでドキドキする。課長も落ち着かないのか、車内の中をキョロキョロと見渡していた。不安なのか、それとも気になるものがあるのだろうか?
「殺風景だな。もっとキャラクターのぬいぐるみとか置いてあるのかと思ってた」
「車にいろいろ置くの好きじゃないんです」
「いいんじゃないか。俺もシンプルのが好き」
笑みを浮かべて言った「好き」の言葉にドキッとする。落ち着け私の心臓。別に私を好きだと言ったわけじゃない。課長が好きなのは、あくまでもこの車内のシンプルなところ。
「運転、大丈夫ですか?酔ったりしていませんか?」
「ああ。お前、運転うまいほうだと思う。冴子の運転はひどいからな。俺、運転うまい女の人って好きだな」
わざと言ってるのだろうか。また冴子さんの名前が出てきて、ちょっと悲しくなったと思ったら、まさかの「好き」しかも運転がうまい女の人が好き。私の運転はうまい。
まるで自分のことを好きだと言ってくれているようなおめでたい考えにたどり着く。ダメだダメだ。深呼吸を吸って車を走らせることにした。
目指すはケーキバイキング。お父さん以外の人を乗せるのは、久しぶりなのでドキドキする。課長も落ち着かないのか、車内の中をキョロキョロと見渡していた。不安なのか、それとも気になるものがあるのだろうか?
「殺風景だな。もっとキャラクターのぬいぐるみとか置いてあるのかと思ってた」
「車にいろいろ置くの好きじゃないんです」
「いいんじゃないか。俺もシンプルのが好き」
笑みを浮かべて言った「好き」の言葉にドキッとする。落ち着け私の心臓。別に私を好きだと言ったわけじゃない。課長が好きなのは、あくまでもこの車内のシンプルなところ。
「運転、大丈夫ですか?酔ったりしていませんか?」
「ああ。お前、運転うまいほうだと思う。冴子の運転はひどいからな。俺、運転うまい女の人って好きだな」
わざと言ってるのだろうか。また冴子さんの名前が出てきて、ちょっと悲しくなったと思ったら、まさかの「好き」しかも運転がうまい女の人が好き。私の運転はうまい。
まるで自分のことを好きだと言ってくれているようなおめでたい考えにたどり着く。ダメだダメだ。深呼吸を吸って車を走らせることにした。

