「変態ですってえ!!?」
とてつもない美人が入ってきた。
そしてその美人はすごいスピードで不良の胸ぐらを掴んだ。
「ちょっと竜也ぁ!!? さっそく転校生ちゃんに手ぇ出したわけ!? なに雅みたいなことしてんのよ!?」
「は、ちげーよ。こいつが勘違いしてるだけだ」
勘違い?
不良の言葉がよく理解できなかった。
「ちょっと待って、不良さん」
「は?」
不良と美人の目が私に向く。
……私はカーテンに隠れて、二人に聞いた。
「……勘違いって、誰がしてるのよ」
「お前だよ、お前」
「私?」
不良は深いため息を吐いた。
そして美人の手を解き、ネクタイを直す。
そういえば、美人の着てる制服がブレザーだ。
私の通ってる高校はセーラー服なはずなのに。
…そういえば、いつもの制服と着心地が違うような。
そーっ…と、私は下を向いた。
―――赤いリボンと、白いワイシャツ。チェックのスカート。
セーラー服のセの字も出ない、制服だった。
これはまさしく…、
「ブレザーだ……」



