「……もしかして、サン・ブレッドと何か関わりでもあるの?」


そう聞くと、竜也くんがぶっと吹き出した。

え?
なんで笑った?


「いや、違うわよなっちゃん」

と、明希ちゃんはくすっと笑った。


「慧太はね、サン・ブレッドのファンなのよ。多い時は、週に5回は行ってるの。よかったわねー慧太。仲間がいて」

「はっ、仲間!?」


へー! そうだったんだ…。

てか、このパンを知ってるってことは相当のファンじゃん!


「えーちょっと、なんで言ってくれなかったの?」

「はぁっ? 別に、あんたに言う必要ないし」


声色からして、かなり焦ってるのがわかる。

多分、さっきの熱弁慧太くんから我に返ったんだろうな。


……。にやり。


「そうなんだー。慧太くんも、サン・ ブレッド好きなんだー。仲間ならこのパン、少しだけわけてあげてもいいかなーって思ったんだけどなあ」


毒吐き美少年が反応した。


「でも、慧太くん、私のこと嫌いだもんね。嫌いな奴からなんかパン貰いたくないもんねぇ」


私のこの言葉で、慧太くんの目は大きく丸くなった。

私の横で、弁当を食べながら竜也くんが「慧太に負けず劣らずだな」と呟いた。


「てことで、いただきまーす」

「待って」


かじりつこうとした時、また慧太くんに止められた。

今度は、腕を掴まれて。