あれから、また日にちがたつ。
進学、就職が決まっていく三年生を見ながら、私はさらに憂鬱になる。進路と未来。先輩が卒業すれば、私は本当にひとり。へらへらして、愛想笑いを同級生に返して、いいように使われているのを知りながら黙っているしかない日々。先輩はそれを知っていたから、時おり頑張れよといった。頑張るのは先輩なのに。
三年生が学校に来なくなり、それからはもう、あっという間だった。
雪が降り積もる中、たまたま学校に来ていた先輩に私は久しぶりにあった。
よお、環。鼻のてっぺんを寒さで赤くした先輩に、私は少し戸惑った。隠していた何かが溢れてしまいそうで、それが戸惑いとして出たらしい。先輩は少し不思議そうな顔をしていたが、それには触れなかった。
「大学生活、楽しみですか?」
「どうだろうな……お金を貯めたいとは思うが」
「遊びほうけたりして」
「すると思うか?」
「思いません」
卒業か、と呟くようにいった先輩に私は言葉を返さなかった。卒業。残酷な言葉にも感じた。祝うべき言葉なはずなのに、私はやはり先輩に向いている自分のそれが、素直に祝うのを躊躇わせた。
先輩、と私は呼んでみる。先輩はなんだ、と返す。
それがあたたかいものであるのに、今の私には真冬の外にいるような寒さを感じた。それは孤独にもにていた。
先輩は、私のものでもなんでもないのに。
「環、お前負けんなよ」
その言葉に、私は何度救われたことか。
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