――――まだ高校生だった、私。
田舎にある高校は、クラス数も少なくほとんどが中学からの知り合いのようなものだった。そして、私を含め中学時代の成績が良くないもの、あるいは些かの問題を抱えたものばかりで、私を酷く憂鬱にさせた。
私は、来たくて来た訳じゃなかった。
補助金が出ること、そして通学するための通学費用が隣町だとかなり違ってくる。
裕福ではない家の生まれである私は、他に選ぶものなんてない。
二年生になれば、進路云々でやかましくなる。あの高校では毎年就職する生徒が出る。
先生たちにすれば、できるだけ有名な大学に進学させようと必死で、言葉巧みに丸め込む。
「だから嫌なんだ」
二つ階段のあるうちの、人通りの少ない美術室側にある階段に彼はいた。
三年生。
ぼんやりしている暇なんてないはずなのだが、彼……斉藤先輩は平然とそれをやってのけていた。いや、暇なんてとはいうのは違うかもしれない。なんせ、大体の学生は試験らしい試験を受けないのだから。


