大人になれると思っていた。
今ならわかるが、二十歳を過ぎても、それまでの私となんら変わりないということ。
誕生日は確かに特別だろうが、それは誰が特別な日としてくれるからだろう。
大学生活ももうすぐ終わりだった。
書類を出しては落ち、出しては落ちの繰り返しからようやく脱却してからは、穏やかな日々だった。回りでは内定が貰えない人とそうでない人がまるわかりで、大学がうたう就職率だなんてあてにならないな、と思った。
何が原因なのか何十社も落ちれば、傷どころか心が割れる。
そんななかでも支援センターにいって報告して、それに追い討ちをかけるような職員の言葉。
「そうとう酷いよ」
そう声を小さくして話す恵理子に、私はああ、と頷く。


