「・・・・あーあ・・・・バレたか・・・・夕輝、警察になれるんじゃないか?」

「警察やってたら、黒真に捕まるだろ?」

・・・・龍の目は今もなお、死んでいる。

・・・・一時的な沈黙。

「・・・・俺、人間を食べないと生きていけないんだ・・・・人間の心臓を・・・・」

龍は語り出した。

「・・・・お前は・・・・『死神』・・・・海莉は・・・・『死神ノ使イ』・・・・そう呼ばれていた。違うか?」

「そうだ。・・・・なんだ。知ってるのか」

「まぁな。・・・・その袋の中は・・・・内蔵か?」

「・・・・驚いた・・・・全部知ってんじゃねーの?」

龍の目には、光が戻ってない。

「・・・・龍ッ・・・・」

海莉は焦ったように龍を呼ぶ。

「夕輝御願い・・・・!龍に・・・・心臓を!食べさせて・・・・!御願い・・・・!このままじゃ・・・・龍が!・・・・龍がッ!!」

海莉が袖を引っ張って頼む・・・・。

「・・・・理由は後で聞く。・・・・海莉、食べさせてやってくれ」

海莉は夕輝の言葉を聞くとすぐに龍の元に駆け寄り、体の中から袋を取り出す。

「龍ッ・・・・龍ッ・・・・聞こえる・・・・?今、食べさせてあげるからね・・・・!待っててね・・・・!」

袋から心臓を取り出し、龍の口を無理矢理開けさせ、その口に心臓を押し込む。

すると、心臓は粉砕され、龍の中に消えていった。