美香子の目が少し揺らいだ。 私は気づかず、ただ美香子なら大丈夫よ、と返す。 そのときの美香子の表情なんかみていなかった。 「もう…じゃあね、蓮嘉」 気がつけばもう家の前で、3件隣の美香子は歩いていってしまう。 私も自分の家の玄関をあけて帰宅した。 携帯を開いて、部屋に真っ直ぐ向かう。 メールをタイミングよく受信した。 メールの主は莉緒からだった。 莉緒は叔父様の愛娘。 強く、賢く、美人。 彼女は水面下狐と呼ばれている。 彼女の双子の想がつけた名前とか。 要は、あっちの人間だ。