歌っていたのは、激しい愛を歌ったラブソング、みたいな感じだった。 楓も私も、号泣だった。 歌声に感動したのももちろん。四年間の集大成なんじゃないかと思った。 だけど理由は他にある。 介と栗田くんが、私たちを探すように視線を向けてきて私たちを見つけだすと少し涙を見せたから。 離れていても…思いは同じだったんだ……。 こんなに近い席、イヤだよ。 介と栗田くんのそんな切なそうな顔、見たくなかった。