「上等。ついてこい」




上等ぅ!? この人、なんかヤバい感じ!?




「はひぃっ!」





気弱な私が口答えできるはずもなく…、
渋々ついていくことにした。




もちろん、気が乗るわけもなく
足取りはちょぼちょぼ。






そもそも、事は私が教科書を
忘れて来ちゃったことから始まる。





―――




「もう…明日テストだっていうのに……」




幼なじみの楓(カエデ)も、
「テストだから無理!ゴメンね?」
と言って、取りに帰るのに付き合ってくれなかった。





「うぅ…暗いし寒い……」





今は冬まっただなか、十一月の末。

 


まだ五時だとはいえ、校内は暗かった。




人もいないし、スゴく不安になる。
心臓がバクバク、と動き回る。