ピピピ





俺は沙彩が帰ったあと、自分の部屋に行った。





リビングにいたくなかったのは、さっきの沙彩との



幸せな時間を思い出すのがイヤだったから。





ずっとそこにいたら逢いたくて仕方なくなってしまう。






携帯で大和に電話を掛ける。






本当ならこんな大事な話は、直接会って話すべきなんだろうと思う。





だけど俺は弱いんだ。






勇気がない…。





だから電話じゃないと気持ちを伝えられない。





メールは嫌いだ。





人が言うことも嘘くさいけど、文章にしたほうがもっと嘘くさい。





例えば告白とか。





俺も今まで何度も、メールで告られてきた。