なかなかいい腕だ。
スピードもあるし、重みもある。
経験値も結構あるみたいだし・・・。
久々にいいやつに巡り会えたか。
血が騒ぐ感じがした。
「・・・っ!!?」
私は男の拳を手で掴んだ。
『こんなもんか。期待していたのだがな。』
そう言って、鳩尾に一発。脇腹に回し蹴りをいれると、
男は吹っ飛んだ。
体育館の窓きわで咳き込んでいる。
『これで分かったか。私にボディーガードは必要ない。』
教室の方に向かおうとすると、
「あれー?これ、いらないの??」
男の方を振り向くと、ニヤニヤと笑いながらリボンをくるくると器用に人差し指で回している。
はっとして首元をみると、自分のリボンがなくなっていた。
『くっそ野郎・・・。』
「じゃあ、これ、あいこってことで。あ、そうそう。俺の名前は桑山風煌。以後、お見知りおきを。」
そういって綺麗に笑うとどこかへ消えた。
『くっそ・・・。』
思いっきり壁を殴った。

