「・・・そっちも卑怯だよね・・・。2対1で詰め寄ってさ・・・。」


多々良樹がいった。


もし、葉だとするなら、すごい成長だ。
あの桑山の気配を捉えたのだから。


まあ、声聞こえるか。



「なんもしてないんだからいいじゃん。」



あー、バレた。とかなんとかいいながら桑山がでてきた。

口パクで《バカ》というと、


「いーじゃん!」


と、逆ギレされた。

もういい。コイツめんどくさい。



『ま、お互い様だな。葉。』



ピク、と多々良樹の肩が動くのが見えた。



「・・・多々良樹って言ったよね?」



あくまでもシラを切るつもりか。