-----和葉side
『ただいまー。』
「「「「「おかえりなさいませ。お嬢様。」」」」」
ペコペコと礼儀正しく私にお辞儀をするメイドさんや執事さん。
今、学校が終わり一度今住んでいる家へ帰ったあと、
着替えて本家の方へ戻ってきたところだ。
『尚いるか?』
「はい。此処です。」
出てきた長身のビシッと制服を着こなしている執事は、近藤尚也-kondo naoya-。
私の専属執事で幼い頃から一緒。
尚、とよんでいる。
ちなみに尚は今19歳。高校卒業までは専属執事ではなかった。
家柄で大学は行かずに私の執事となった。
『叔父さんよんでたから来たんだけど、どこにいるかわかる?』
「はい、いつもの場所へおられます。どうぞこちらへ。」
『そ。ありがと。』
テクテクと歩いていく尚。
『尚、もういいぞ。』
「ああ。」
さっきとはガラリと変わる言葉遣い。
みんなの前では手本として言葉遣いを改まっているが、
2人の時は崩すように指示している。
べつにいつも崩してくれて構わないのだが、尚曰く、
《示しが付かない》
そうなので、2人の時だけにした。

