「和葉さん、さきにいっちゃうなんて・・・。ひどいなあ。ま、そんな照れ屋さんなとこも可愛いけどね。」

ニコ、とやつが笑えば周りの奴は男女問わず赤面をする。
私をのぞいて。
あ、香澄と龍雅と新一は真っ黒なオーラを出してるけどな。


『少し持てれてなどいませんわ。私、一人で登校してきたのに、おいてくるもなにもございませんが。どこかで強く頭でもぶつけたのですか?桑山さん。』


しれっとした顔で淡々と話す。
周りのクラスメイトはもう、話の内容など聞いていない。


それはそうだろう。
先ほど、香澄に聞いて知ったのだが、
私は毎回テストで1位を維持しているのだけれど、その際同率で並んで1位だったのは桑山だったのだ。



つまり、学校一の秀才が2人そろい、
その二人は学校の地位ではNo.1とNo.2なのだから、
それを目の前にしたら落ち着いていられる人は少ないだろう。