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校門で背後から猛スピードで迫って来るのはあいつ以外考えられない。
ああ、なんて鬱陶しい。
「和葉さん。」
ポン、と肩に手をおいてくる奴。
ペシ、と払うと、
『その汚らわしい手で触れないでいただけますか?』
「和葉さん、結構毒舌ー。つらー。」
棒読みかよ。
『そちらも、噂と違ってお調子者で随分おしゃべりで。』
「和葉にだけさ。」
『やめていただけます?かってに呼び捨てなんて私の名前が汚れてしまいますので。父と母に合わせる顔がなくなってしまいますわ。』
スタスタと早歩きをしながら会話をしているため、
もう家から学校までの半分ほどまできてしまっている。
本気で家までくるつもりか、コイツ。
私は、マンションの最上階で1人暮らしをしているため、
バレると非常に面倒だ。

