風煌side
「いって。」
横腹が痛む。
しっかし、驚きだ。
学年で一番人気のあるあの星海和葉が
あんな性格であそこまで強いとは・・・。
つーか、綺麗だったな・・・。
鎖骨の辺りまで伸びたこげ茶の髪は傷むことを知らないかのようにサラサラで。
パッチリとした大きな二重の深い青色の瞳に重くないのかと思うほどびっしり生えている長いまつげ。
小さくちょこんとお上品についた鼻に桜色のふっくらとした唇。
って、俺どんだけみてんだよ・・・。
自慢ではないが、俺の家は世界でトップのボディーガードの家。
小さな頃から鍛えられてきた。
おまけに視力と嗅覚はイヌよりもいいほど。
呼び出されている星海和葉に気がつけたのもこの視力のおかげだ。
俺は、いままでこの家柄や見た目のせいで女はまったく信用性がないし、
今回の件もいやいやだった。しごとだから仕方がない。とおもっていた。
が、予想外。あんな女は見たことがない。
それに、あいつは俺と結ばれるべき存在である・・・。
星海和葉のことで頭がいっぱいだ。
絶対付きまとってやる。
これからが楽しみ過ぎて、思わず顔がにやけた。

