「好き。木村が好き…付き合ってください。」
私はメールで
こう告げた。
本気ではなかったが
嘘でもない曖昧な気持ちだった。
「俺も、好きだった。付き合おっか?」
「うん!!」
私は、嬉しそうにメールをした
それからと言うもの
2日もしないうちに
私と木村が付き合ってる事は
みんなにバレた。
というより
バラした。の方が正しい。
そして
付き合って1週間後
デートする事になった。
学校が終わって
電車やバスを乗り継いで
大きいデパートに
やってきた、
恥ずかしさで
無言が続いていた。
私が喋りかけた。
「ねぇ!」
「ん?」
「プリクラ撮ろうよ!」
「えー…。仕方ねーな。」
文句を言いつつ
お金は全部おごってくれた。
プリクラの中の二人は
ぎこちなく
本当にカップルなのか
疑う程、離れていた。
それ程、恥ずかしかったのだが。
プリクラを撮り終わったあと
アイスを食べた
プリクラをおごってくれた
お返しにと
私がアイスを2人分買うと。
「これ、いくらしたの?」
「言ったら木村、茉希にお金返すでしょ。」
「返さねぇよ。返す訳ないじゃん。笑」
「嘘だ。」
「本当だって。」
「教えない。」
「じゃあ、いいよ。あ。俺トイレ行ってくるわ。」
木村は
そう言い放ち
トイレに向かった。
十数分。私は
1人で暇な時間を過ごしていると
木村が帰ってきた。
「なぁ。カバン見せて?」
「いいけど…」
何をするのかと
見ていると
カバンの中にお金を入れたのだ。
「え?!?!?!」
私が叫ぶと
「店まで行ったら分かるんだよ、アーホ。」
本当に紳士的だと思った。
もうすぐ、帰らなきゃいけない
時間だ。
「さて、そろそろ帰るか?」
「うん」
そして
バスで帰っていると…
まさか…
嘘でしょ。
遠回りしてきてしまった。
乗るバスを間違えた。
帰れる。
帰れるけど…
今日、私は習い事が
18:30にあった
そして、今の時間は…
18:30だ…
親には、友達と遊びに行く事に
なってある。
そんな事で
頭がいっぱいになり
焦っていると…
ピロリロリロリロ♪
ピロリロリロリロ♪
着信だ。
間違いなく、親からであった。
私は、すごく出るのが嫌だった。
仕方なく出ると…
「茉希!どこにいるの!」
「ごめん。まだ、バス…」
「何時だと思ってるの?!」
「18:30…」
「習い事があるのわかってるでしょ!」
「ごめんなさい。すぐ帰ります。」
「早くしなさいよ!」
ブチッ!…
私が親と電話している間に
木村が私の分の切符を
買ってくれていた。
木村には
いっぱい迷惑をかけたので
あとで謝った。
家に帰ると
親に、物凄く、怒られた。
散々な初デートだった。

