ほんとうの愛の見つけ方

ショッピングモールの、フードコートは
すごく広く、私は内心知り合いに会ったら
どうしようかな、など余計な心配をしていた。
それとは逆に、ひろとは楽しそうに
鼻歌まで歌っている。何が楽しいのだろうか。
もはやくまにしか見えないと笑ってしまった。

私はピザを頼みに、小刻みにお店へと
走っていくと、ひろとが付いてくる。
不思議に思いながらも、メニューを見て
悩んでいると、ひろとが
『俺、ピザ食う!サラミのやつ!愛は?』
いきなり聞かれ、とまどいながらも、
『じゃあ、同じやつ2つ。』
と注文をした。お財布から
お金をだろうとしていると、
ひろとは、当たり前と言わんばかりの顔で
お金をそっと店員に出していた。

私の周りに、お金を当たり前のように
出すような男なんているはずもなく、
とても珍しく、この時ばかりは、
ひろとに不意にもドキッとしてしまった。