その影に

恭夜が



驚いた目で



あたしたちを見てた。



だって




あたしの唇が奪われたから。




驚きのあまりに
目は見開いたままで






恭夜の顔がくっきり見える。



それが
また、残酷で。




眉のさがった

カレの瞳が少し光った。




離れない唇を

無理矢理はずして




矢野くんを押そうとすると


手を握られて

とめられた。