ボーッと突っ立ってることしかできなかったあたしに気づいた矢野君が・・




─蛍瑠も飲も。




なんとなくこんな声が頭に入ってきたような気がした。


でも、

頭にインプットされることなく・・・


流された。



よくわからないまま




あたしは

いつのまにか



いい気分になってた。







──・・・どれくらい飲んだんだろう・・・



「矢野くん・・?


あたひ、お酒・・飲んだろ・・・?」


うまく話せてないのがわかる・・




「いや、一杯くらいしかのんでねーよ。」




矢野君は何かを思いついたように

あたしの肩を自分のほうに抱き寄せた。



「な・・何。」




「俺、蛍瑠のこと好きなんだけど・・・?」