あーあ、そういえば約束しちゃった。


「チキンライスとオムライス、どっち作ってくれるんだろうね、ミィ」

喉を鳴らすミィに問いかける


どっち作ってくれても嬉しいけど。





ふむ。作ってくれても、私にはお礼をするなんて技術がない。


お礼………。


「……名前…。」


気付いたら呟いていた



私が得をするかもしれない案だけど、それなりのお礼のつもり。



─私の名前を教えること─


あわよくば、呼んでくれるかもしれないなんて、淡い期待を持つ。



私が教えたら、彼もまた私に名前を教えてくれるだろうか


教えてくれなくてもいい。

彼に私を少しでも残せたら、それだけでいい。











こんな風に思うのは、彼が初めてだから。




この気持ちの正体がよくわからない




「…はぁ。 よくわかんねー…」