…そうだった。

渓には触ったらダメなんだ…。

渓は好きな人にしか触られたくない、

それはずっと昔から知ってること。

…私はこんなに渓が好きなのに、

渓はこっちを見てくれない。

「…じゃあ、授業ちゃんと受けてよ…」

「…なんで優美にそんなこと言われなきゃなんねぇの?」

「なんでって……」

好きだから、なんて言えない。