大っきらい。の反対。~上手く言えないよ~


夕日の中で、輝井 真理さんはまた小さく笑った。

その姿は、なんだかとっても、

悲しそうにみえた。

「・・・でも、いいかえしたとこでまた色々言われるから・・・。
だから今まで黙ってたけど。
・・・さすがに今日、限界だった。
・・・だから、あなたがきてくれてうれしかったよ」

そういうと、私の方をむいてにこっとわらってくれた。

「・・・私こそ!」

なんだか思いがこみあげてきて、私も勢いよくうなずいた。

「勝手にでしゃばっちゃってすみません・・・。

私も、昔、その、いじめに関係ある、いやな過去があって・・・。

だから、なんとしてでも、助けになりたかったんです!

・・・無理でしたけどねぇ・・・」

がっくしと肩をおとす私に、真理さんはまたまた小さく笑った。

「・・・きてくれただけでも、助けになったよ。

・・・これからもよろしく」

その言葉に、私はぱっと顔をあげる。

「いいい、今なんて?」

「・・・だから」

真理さんは急にうつむいた。

あれ、顔が赤いけど夕日のせいですよね?

「友達、って」

・・・!

や、やったぁ!

夕日がきらめく廊下のなか、私は大きくうなずいた。

「はい!こちらこそよろしくです!」