大っきらい。の反対。~上手く言えないよ~


ぷんすかしていると、

「あの・・・」

隣の、さっき悪口いわれてた子がおずおずと声をかけてきた。

「はい?」

私はその子をふりかえる。

「・・・えっと。なんかいろいろ、迷惑かけちゃった・・・。


・・・助けてくれて、ありがとう」


にっこりと、はにかんだような笑顔でそう言われた。

うわぁ、てれちゃうなぁ。

「いえいえこちらこそ!

なんか、あまり助けにならずすみませんでした・・・」

がっくしと肩を落とした私に、その子は慌てて手を振った。

「・・・ううん、上手く言えなかった私も悪い・・」

そういうと、その子はにこっとわらってくれた。

「とにかく、ありがとう」

「・・・はい!」

こんなによろこんでもらうと、逆に申し訳ないような・・・。

私がえへへ・・・と照れ笑いしていると、その子は私の持っている書類にふと目を落とした。