大っきらい。の反対。~上手く言えないよ~



「・・・分かった。もういーや。じゃな」

なんだかすごく疲れたようにそういうと、夕日が差し込む廊下を歩いていってしまった。

あ、そういえば。

先生に呼ばれてたって、あれ、ウソだったんだ。

あ!ってことは!

感謝しろってそういうことか!

今更ながら気づいた私は、大きく息を吸うと、

「りんとーーー!」

名前を、さけんだ。

泉 琳透の足が止まる。

私はにっこりわらうと、続きをさけんだ。

「この子、あの女子グループに悪口言われちゃってたんですよ!
でも、私一人じゃなかなか助けられなくて・・・。
助けるの手伝ってくれるなんて、まぁいいとこもあるんですね!
という訳で、まぁ感謝してるっちゃしてます!」


泉 琳透は私の言葉を黙ってきいていた。

けど。

「いや、そうじゃないんだけど・・・?」

なにか、小さな声で呟いた。

「え?じゃあ他に何か・・・?」

私が首をかしげると、こちらをくるっと振り返って、

「ああー、もういーぜ。うん。

お前がそーとーバカだってわかったからな」

私をみてバカにするようにそういうと、角を曲がって姿を消した。

・・・?何がいいたいんだろうあいつは?

・・・どっちにしろ私をバカ呼ばわりしたことは許せないんですけどね!