・・・えーーっと、それで。
なんか重要なことを忘れかけているような・・・。
女子グループが悔しそうにしてたのに満足してしまった私は、私を引っ張っていた人が急に立ち止って私を見降ろした時、我に返ってハッとした。
わ、私、今完璧にこの人の存在をわすれてたー!
「・・・それで。君ってよほどのケンカ好きなんだな」
泉 琳透がにやっと笑って見降ろしてくる。
窓から差し込む夕日にてらされているその整った顔をにらみつけながら私は唇をとがらせた。
「よけいなお世話です。私は私のやろうとしたことをしたまでなんです」
「・・・の、わりにやけにびびってたけどな?」
「うっ、うるさいですね!?それとこれとはちがいます!」
全く、ほんと人のいたいとこばっかりついてきて!
嫌みっぽい男だ!
ぷんすかしていると、なにやらにやっと笑われた。
「そっちこそ、感謝しろよな」
「・・・感謝?」
なんでだろ?
首をかしげると、泉 琳透はえっ!と驚いたように顔をひきつらせた・・・けど、
「・・・素で理解してない?」
「何をあなたに感謝したらいいのかさっぱりなんですけど」
きょとんとする私にはぁぁと大きなため息をつく。


