大っきらい。の反対。~上手く言えないよ~



「いっ、泉君・・・!?」

驚いたような女子達に、ウワサの超本人・泉 琳透はにやっと笑って、

「いっとくけど、こいつはおれにこびなんてうってないぜ?

・・・この敬語サン、さぁ、おれにこびうるどころかはむかってくるし。

人違いだよ人違い」

そういうと私たちの間に入り込んできて、ぐっと私の腕をつかんだ。

「なにするんですか!通報しますよ!」

「いや、ただ腕つかんだだけだけど・・・」


猫のようにいかくする私をあきれたような目でみやりながら、ひらっと泉 琳透は手をふると、

「それじゃあちょっと先生に呼ばれてるからこの辺でー」

そういい、ずかずか歩きだした。

ああっ、ちょっと待って。

とっさに、私はぱっと悪口いわれてた例の女の子の腕をとった。

何か言われる前に、慌てて口を開く。

「あ、あのっ、あなたも先生に呼ばれてた気がするんで!一緒にいきましょう、はい!」

「・・・は、はい」

びっくりした顔で、それでもその女の子はうなずいてくれた。


「・・・逃げた・・・!?」

去っていく私たちをみやりながら、女子グループが悔しげにうめいているのをみながら、心のなかであっかんべーと舌をだす。

人いじめるのは、よくないですからね!