「・・・・は?」
周りの女子のあっけにとられたような声がきこえる。
今まで黙って悪口きいてたおとなしめ女子が、いきなりはんこうしだしたからだろうか。
・・・けど、それはすぐに、怒りにかわってしまって。
「・・・はぁ?なにこいつ、美由にケンカうってるの?」
「もう、いーよ、こんなやつ、」
「あんた、さぁ、」
低くかわいた、バカにするような、声が、響いた。
「いーかげん、きえな?」
ーーーーーーーーーーっ!
そのとたん、頭の中で、なにかがはじけた。
ぐるぐるまわる記憶の中、『あの子』の笑った顔が・・・疲れた笑みが・・・どんどんかすんで、小さくなって。
・・・だから、だから、私は。
「消える、って・・・人って、そんな簡単にきえれませんよ!」
・・・思わず、叫んで・・・女子集団の中へ、飛び込んで行った。


