・・・だれだろう?

あの向こう、立ち入り禁止のはずじゃ・・・?

おそーるおそるのぞいてみた私の目に飛び込んできたのは、

「あっ・・・・!?」

沢山の本をかかえたままたちすくむ一人の女の子・・・と、その子をとりかこむ十人くらいの女子生徒。

えーーっと、これって、つまり、

かたまった私の額に、思わず冷や汗がにじむ。

俗にいう、呼び出し!?リンチ!?何!?

(ややややばいです、これ、おそるべし金持ち学校の女子・・・)

思わず顔をひっこめ、胸をどきどきさせていると、なにやらアブナイ言葉もきこえてきた。

「・・・で?美由の顔みて笑うなんて、すごいね?」

「前からむかついてたんだけどさぁ、まさかここまでとはねぇー」

「頭いいからって調子のんないでよねー?」

そのあとにまきおこる、爆笑。
のぞいてみると、真ん中の女の子はうつむいて、唇をぎゅっとかみしめていた。

どうしよう、どうしよう・・・。

私は両手をぎゅっと握りしめる。
もともと、人に何かをいうのが苦手で、なかなか自分の気持ちをつたえられないのに、ましてやあんな人達になんて・・・。

「私に、」

その時、真ん中の、悪口言われてる子が声をしぼりだした。

「私に文句があるんだったら、ちゃんと1対1で言って!」