「な、なんで私があなたみたいな最低男のいうコトきかなきゃいけないんですか、お断りですお断りっ!」
慌てて首をブンブンふったのにもかかわらず、「じゃ、おぼえとけよ」
とかいいながら、そいつは颯爽と教室をでていった。
のこされたのは、ポカーンとする私たち。
「・・・悪く思わないでくれ、あいつだって・・・まぁ、いいやつだから」
あの最低男の隣にいた、良い人が、苦笑いしてこちらをみてきた。
・・・あの最低男がムダにかっこいいからか、こっちの人はフツーの顔だちに思えてしまう。
もさっとした感じの黒髪に、メガネかけてる、いかにも頭いいです的な人。
「・・・あいつより、あなたの方が絶対良い人ですから!大丈夫です!」
「・・・お、おお?」
「あと・・・」
私はにこっと笑ってその人に言った。
「いろいろとフォロー、ありがとうございました!」
そのとたん、その男子生徒君の目が大きく見開かれた。
ん?どうしたんでしょう?
「いっ、いや、おれは別になにも・・・」
顔をそらしてもごもごなにかをいわれ、
「おれ、影谷 藍 (かげたに らん)っていって・・・琳透、あいつの友達だから。なんかあったら、また、」
そう言い残して、びゅんっ!と男子君は走っていってしまった。


