だけど、君のために必死に自我を押し殺して付き合ってきたシンユウ。

「お二人さん、なーにしてーんの」

振り替えると、そこにはやっぱり俺のシンユウ、優太がいた。


-ああ、ここで終わりか-


卒業式が終われば、もう会うこともなかったのに。
片思いのままで終われたのに。
五年間も騙し続けたのに。五年間も嘘をつき続けたのに。
最後まで、あんなくだらない嘘をついたのに。



ゲームオーバー



突風が学生服の裾を舞い踊らせる。
第2ボタンだけが付いている優太の学生服を。



その時吹いた風は、まるで神様が俺に『ざまあみろ』と言っているかのようだった。