セーラの躰が、下に向かって落ちて行く。

聞こえたのは、鈍い音。

見ると、地面に広がる赤い血。

そのうえに横になっているのは、セーラ。

セーラが、死んだ。

私が、セーラを殺した。

これで、いいんだ。

セーラから、離れることができたんだ。

もうセーラが勝手に流した噂に振り回されることなんかない。

セーラと一緒にいなくてもいい。

そう思うと、笑えてくる。

誰が見ても、私が殺したとは思わないだろう。

これと言った大きな証拠もない。

場所も場所だ。

私は逃げるように、屋上を後にした。