思い出した。

セーラは、屋上から転落して死んだんじゃない。

――ワタシガコロシタンダ


セーラが死んだ日も、こんなキレイな夕方だった。

「どうしたの、マーリ?」

私に呼び出され、屋上にきたセーラ。

「もうやめて!」

きたばかりのセーラに、私は言った。

セーラは不思議そうな顔。

「もう変な噂流すのやめて!」

そう言った私にセーラは笑うと、
「どうして?

マーリと私は親友でしょ?

親友同士がいつも一緒にいたって、おかしくないじゃない」

「だからと言って、ありもしない噂を勝手に流すのはやめて!」