放課後の、誰もいなくなった教室。

机の上に置いてある人形。

それをつかむと、教室を飛び出した。

向かう先は、屋上。

セーラが死んだ、屋上。

扉を開けた瞬間に視界に入るのは、西の方に沈んで行く太陽。

日が短くなったな。

なんて思いながら、手すりの方に向かって歩く。

手に持っている人形。

「――あんたのせいよ」

その人形に向かって、呟いた。

「あんたのせいよ!」

今度は叫んだ。

「あんたのせいで友達ができない!

あんたが勝手な噂を流すから、誰も寄ってくれない!」