昼休みの予鈴のチャイムが鳴る。

「あ、次移動じゃーん」

「早く行こー」

パタパタと去って行く足音。

足音が消えたことを確認すると、ドアを開いた。

「――ッ…」

呆れて、舌打ちもできない。

涙も出てこない。

胸の中で渦巻くセーラに対しての、怒りと憎しみ。

あの子は死んだって言うのに、これからも私は彼女が流した勝手な噂に振り回され続けるのだろうか?

――だってマーリは、私のものでしょう?

私は、ものじゃない。

あんたの、ものじゃない。