彼氏契約書

…なんて、嘘。

本当は抱いてほしかった。

…蒼空が好き。

いつの間にか好きになってた。

でも、この契約がある以上、

私は蒼空に気持ちを打ち明けられない。


『好き』なんて言ったら、

きっと蒼空は、私から離れてしまう。


契約がある以上、蒼空は私から離れる事はない。


だからこの気持ちは、内に秘めておく。


振り返った私は、目を疑った。


・・・何で、そんなにつらそうな顔をしてるの?


「…蒼空?」


「…仕事、行かなきゃですね」


「・・・ん」


「朝ご飯は、僕が作りますよ」

辛そうな顔は、一瞬だけだった。