そう言って布団の中にもぐってしまった美緒さん。

僕は成す術がなく、ただ、握ったままの手を握りしめた。


そんな時、病室のドアがノックされた。

「…どうぞ」

僕の言葉を聞き、ドアが静かに開いた。


病室に入ってきたのは担当医師だった。


「少し、お話しよろしいでしょうか?」

医師の言葉に静かに頷く。


すると、僕の近くまで来た医師は優しく微笑んだ。

「佐伯さん」


医師の言葉に、布団がピクリと動く。


「赤ちゃんはまだ無事ですよ」

「?!」

医師の言葉に、バッと、布団をめくった美緒さん。


「あ、赤ちゃんて、一体・・・」

医師の言葉にただ驚いて、医師を見つめた。


「貴方が、赤ちゃんのお父さんですか?」

「・・・・」

僕の子供?

美緒さんのお腹の中に?