彼氏契約書

「美緒」

「・・・ん?」


「仕事の事はいいから、今日、病院に行って来いよ」

「…ダメ、今日だけははずせない仕事があるから。

それに、須藤も、具合が悪くて休みそうだし・・・

多嶋さんにヒトリシとは押し付けられないわ。

明日は、急な仕事が入らない限り、絶対病院に行くから」



「オレも付き添うからな」

「?!冗談よして」


「美緒が心配なんだよ」

「・・・雄一は仕事があるでしょう?」


「仕事なんてどうにでもなる、秘書はいるし」

「・・・もぅ、わがまま」

「なんとでも」


その言葉に、フッと笑ってしまう。

涙は、いつの間にか止まっていた。

…本当はね?凄く、心細かったの。


ありがとう、雄一。


言葉には言えないけど・・・。