それでも・・・



「ダメよ雄一」


「…美緒」



「私、妊娠してるの」

「…妊娠?」



思ってもいない言葉に、雄一の腕の力が抜ける。

私はその腕の中から解放された。



涙を拭い、微笑んだ。


「昨日、具合が悪くて私を助けてくれたでしょ?

具合の悪いせいは、妊娠のせい・・・」


「病院は?アイツは知ってるのか?」

雄一の言葉に、静かに首を振る。


「検査薬で調べただけで、病院はまだ・・・

明日の午後から休ませてもらって病院には行くつもりだった。

…蒼空は知らない。すれ違ってる今、言えない・・・」


笑ってるのに、涙が止まらない。