「それから、最初に交わした契約の最後の文面に

美緒さんはしっかり目を通していなかったでしょう?」


「どういう事?」


「これをよく読んでください・・・ここです」

そう言って最初に交わした契約書の最後に、


「ただし、互いを想い、好きになったその時は、

新たな契約書にサインする事」



「こんな所まで来たのは、会社の為だった…

僕が同じ立場でも、同じことをしてたかもしれません。

自分の置かれた立場が、あまりにも重すぎたら・・・

もう、僕の事は、愛してくれませんか?」


「蒼空、私は・・・」

ずっとずっと、貴方だけを想っていた。

私の心には、貴方しか入る余地はない。


「さっきから聞いていれば…

例え会社の為であっても、美緒は君から離れた。

君への想いは、それっぽっちだった…違うかな?」


「・・・・」

海人の言葉に、顔を歪ませる蒼空。