この愛に抱かれて

それから30分ぐらい歩いたところで、川沿いにある少し広めの公園に出た。


見晴らしのよい、小高い丘のようなところだった。



大きなクロマツの木の下まで行くと、隣町の街明かりが一望できた。



製紙工場の細長い煙突が何本も立っていた。


紅白で塗られた煙突からは白い煙がもくもくと立ち昇っている。



煙突の出口付近には航空機に煙突の位置を知らせる航空障害灯があり、大きな赤いランプがゆっくりと点滅していた。



その光景はまるで、街に現れた大きな怪物が、目を光らせながら煙を吐いているかのようだった。