この愛に抱かれて

ザー!!



途中、川が滝のように流れ落ちる場所があった。



1メートルぐらいの高さだろうか、垂直に切り立った水路の上を川の水は勢いよく流れ落ちていた。



普段は、それほど大きくない滝の音も、静まり返った深夜では何倍にも聞こえた。



昼間見たときとは、まるで印象が違って見えた。



暗闇の中での轟音は響子に言い知れぬ恐怖感を与えた。


響子は、ぬいぐるみを脇の下に挟み両手で耳を塞ぐと、全力でその場を駆け抜けた。