この愛に抱かれて

時間は午前2時を過ぎていた。



遠くに電灯の明かりが見えるだけで、辺りは右も左も真っ暗闇だった。



あまりにも暗すぎて、自分の身体さえ見えなかった。



東京の夜とはまるで違っていた。



東京では街路灯がいたるところにある。



コンビニや深夜営業の店も数多く営業していたから、真夜中でも街は眩しいくらいに明るい。



響子は田んぼに落ちないよう注意しながら歩いた。