この愛に抱かれて

その日の夕食は誰もがみな無口だった。



いつも楽しくしゃべる美子や利恵も、この日ばかりは黙っていた。



男性たちも、酒がすすまないようで、早々に食事を切り上げた。



すべて自分が原因だ。


響子は自分を責めていた。



自分が来るまでは、おそらく春川家は平和であったに違いない。


利恵が怜を引っ叩くことなど無かっただろう。