この愛に抱かれて

響子はみんなの歌を聞きながら嬉しそうに微笑んだ。



事故以来、響子が笑ったのは初めてだった。



誰もが響子の笑顔を待ち望んでいた。



歌の後、響子がひと吹きで火を消すと、大きな拍手が沸きあがった。


響子はみんなの顔を見ながら久しぶりに穏やかな気持ちになっていた。



両親との別れからずっと寂しい日々を過ごしてきた幼い少女にとって、つかのまの幸せだった。



そんなときだった。