この愛に抱かれて

病院で泣き


火葬場で泣き


夜、東京のアパートで利恵と寝るときも、響子はひとり泣き続けた。



アパートを引き上げようとしたときも、響子は玄関にしゃがみこんで長い時間泣き続けた。



両親との思い出が、いっぱい詰まっている場所



そこを離れるというこが、茂と恵美子との本当の別れなのだということを、響子は幼いながらも感じ取っていたのだ。



利恵は、そんな響子をただ抱きしめてやることしか出来なかった。



慰めの言葉が見つからなかった。