この愛に抱かれて

「反対車線に出たお前の車は、運悪く走ってきた車と正面衝突した」



「正面衝突?」


直樹はポツリと呟くように言った。



「そうだ。
お前は対向車とぶつかった後、はじけとんで壁で止まったんだ」



「でもどうして。博史はそんなこと一言も・・・」

言いかけて、直樹はハッと息を呑んだ。



そして、源太郎の顔を見つめた。